交流戦最終カードはラスボスとの対決となった。ソフトバンクの交流戦成績は10勝4敗1分とセリーグ球団に滅法強く、先発マウンドに上がったモイネロは勝利数がパリーグトップで防御率も1.26と難攻不落の好投手。そんな巨大戦力を相手にナインは互角以上に渡り合った。
先発の村上は立ち上がりに1死満塁のピンチを招いたがレフト前に抜けようかという打球をショートの小幡が横っ飛びで捕球し1塁走者を2塁で封殺する。大ファインプレーにより最少失点で切り抜けた。2回無死2塁の場面ではセンター前方へのライナーを近本がダイビングキャッチ。ビッグプレー連発で追加点を与えなかった。
打線も2回に1死からヘルナンデスと坂本の連打でチャンスを作ると小幡と村上もアウトにはなったものの鋭い打球を飛ばしていた。4回にもヘルナンデスと小幡の安打で2死1、2塁とするなどモイネロを攻め立てる。そして1点を追う5回にも近本と中野の連打で走者をためた。無死1、2塁のチャンスに森下、佐藤輝は倒れたが2死後に大山がセンター前に運ぶ。ホームは際どいタイミングとなったが近本のスライディング技術が同点のホームをかすめとった。モイネロを一気に攻略とまではならなかったが5回までに8安打を浴びせて101球を投げさせ相手のペースに持ち込ませなかった。
村上は尻上がりに調子を上げた。3回までは奪三振0も4回以降、勝負所で大事なアウトを三振で奪う。2回以降は無四球無失点。8回1失点と先発の役割を果たした。
「立ち上がり乗り切れないところを小幡と近本さんの守備に助けてもらってなんとか中盤から立て直すことができました。ずるずると悪い方に流れることなく粘ってゲームを作ることができたとこはよかったと思います」
9回はソフトバンクの中軸を岩崎が3人でピシャリ。互いにハイレベルな攻防の連続で試合は延長戦へ。10回もセカンドの中野が右も左も安打性の打球を抜かせない。広い守備範囲で甲子園を沸かせた。しかし及川が勝ち越しの適時2塁打を浴びてしまう。
1-2の10回裏、大山が安打を放ち同点の走者を出したが追いつくことは出来なかった。
惜しくも1点及ばなかったが投打共に内容は充実している。今日のパフォーマンスが発揮出来るならば明日、あさっての勝機十分だ。