ここまでに積み上げた貯金は19。優勝へ向けてひた走るチームに最後の、そして最強のピースが加わった。好左腕の髙橋が今季初先発のマウンドに上がった。復帰登板を祝うかのように野手陣が初回から攻守で援護した。
守ってはセカンド・中野、サードの佐藤輝が難しいゴロをさばく。その裏には2死から森下の安打と佐藤輝の四球で走者をため大山がレフトへ先制適時打を放った。
「2アウトから前の2人が繋いでくれたので、思い切ってスイングできました。(髙橋)遥人が先発なので、初回に先制できたのは良かったと思います」
援護点をもらった髙橋は2回と3回を無失点。ストレートはコンスタントに140km/h台後半を記録した。4回に失策絡みで逆転を許してしまったものの6回までマウンドを守り2失点にまとめた。奪った三振は2つだけだったが多くのゴロアウトを稼ぎ復帰登板としては上々だ。
「久しぶりの甲子園のマウンドでしたがまずは投げることができたということがよかったです。ここまでいろんな方にサポートしてもらい試合で投げるというところまで来ることができました。ただ今日の試合では自分のミスでピンチを広げ、打たれてしまい悔しいです。またいい準備をして次回頑張ります」
1-2の7回は木下がマウンドへ。1死3塁のピンチを背負ったが後続を抑えホームは踏ませない。その裏の攻撃は1番の近本から始まる好打順。2死となってしまったが沈みかけた雰囲気を森下が振り払った。ストレートを完璧に捉えた打球はレフトスタンドへ一直線。今季16号は価値ある同点アーチとなった。
「自分のエラーで逆転されてしまったので、絶対に取り返そうと打席に入りました。出塁する、後ろに繋ぐ、という意識が良い結果に繋がったと思います」
2-2と試合を振り出しに戻して8回からは湯浅、及川、ネルソンが無失点リレー。しかし延長11回に島本が勝ち越しを許してしまう。1点を追うその裏、大山が大飛球をセンターに飛ばしたが惜しくも柵越えはならず。追いつき、追い越すことは出来なかった。
貯金20は逃したが首位独走状態は変わらない。明日も接戦が予想される。しぶとく全員で1点をもぎ取りたい。