その長打力はもはや伏兵ではない。前半戦ラストゲームで小幡が大暴れだ。高めの球に振り負けない。まずは2回、2試合連続となる先制アーチをライトへ描いた。
「厳しいコースでしたが、うまく反応して打つことができました」
直後の守備では1死1塁からショートライナーを捕球すると矢のような送球を1塁に送り併殺を完成させた。3回1死1塁で打席に立つと再び高めの球をライトスタンドへ運んだ。
「強い球に振り負けず、しっかり自分のスイングができたと思います」
6番打者の活躍に刺激を受け、5番打者も黙っていない。大山が3回1死からレフト前に弾き返す。これで通算1000本安打を達成。節目の一打を放つと1001本目もすぐに飛び出した。3点リードの5回にレフトスタンドへ追撃のアーチ。5点差に広げ巨人を突き放した。
「(伊藤)将司が頑張ってくれていましたし、次の1点が大事な展開だったので、打つことができてよかったです」
先発の伊藤将は6月の1軍合流後は安定した投球を続けている。3発による援護を受けたこの日も問題なし。初回はきっちり三者凡退の立ち上がり。その後もキレの良い球を制球よく投げ込みわずか51球で5回を1安打無四球無失点に抑えた。7回に反撃を許したところでリリーフを仰いだがしっかり長いイニングを投げ先発の役割を果たした。
「みんなが得点を重ねてくれて5点のリードを貰って6回まで投げることができました。ただ7回の先頭を出してしまったところから粘ることができませんでした。球数、点差、1人で投げ切らないといけない展開のなかで粘ることができずに悔しいです」
3点差に迫られなおも1死1、3塁のピンチにネルソンがマウンドへ。ここで食い止めたいところだったが痛恨の一発を浴びてしまう。5-5の同点に追いつかれてしまった。
打線は8回に1死1、2塁とチャンスを作ったものの勝ち越し点は奪えず。最後はイニングを跨いだ伊原が痛打を浴びサヨナラ負けを喫してしまった。
一発攻勢で主導権を握りながら逃げ切ることは出来なかったがカード勝ち越しは戦果として十分。オールスターブレイクを挟み後半戦もまだまだ貯金を積み上げる。