岩田稔投手が甲子園で自主トレを公開し、キャッチボールや階段ダッシュで汗を流しました。
年明けから約2週間、米国アリゾナで自主トレを行い、20日に帰国。ここまでの調整を振り返り、「順調です。体調を崩さずトレーニングできている、それだけでプラス」と手応えを口にしました。アリゾナでは毎年、発熱するなど体調を崩していたそうですが、今年は万全のコンディションを維持。「2週間みっちりトレーニングできました。いい練習ができています」と充実の表情を浮かべます。
重点的に取り組んだのは、臀部のトレーニング。「お尻まわりは元々足りない部分なので、オフでしっかり補えるように」と下半身強化に励んできました。「ボックスの上に立って、片足で屈伸運動する」という『お尻トレーニング』を行い、「より意識を持ってできるトレーニングを見つけました。動きを自分でも理解できた」と納得顔。「(臀部の強化は)ピッチャーをやる限りは必要。投球フォームにも、そこを生かさないと」と語り、「シーズン中もやっていきたい」と継続を誓いました。
下半身を鍛え上げましたが、「負荷をかけて体を大きくするつもりはなかった。自分の許容範囲内で、どれだけ動きを出せるか」と体重の増量はなし。理想の体で、キャンプに臨みます。「アリゾナでやってきたことを、しっかり自分のものにできるよう努力していきたい」。トレーニングの成果に自信を覗かせました。
ブルペン投球はまだ開始していませんが、「今のキャッチボールの状況では、投げられる実感がある」といいます。キャンプ前の先乗り合同自主トレに参加予定で、「沖縄に行ったら、ブルペンに1回入って。そこから徐々に上げていく感じですね。無理せず、飛ばしすぎないよう、しっかり段階を踏んでいきたい」と視界は良好です。
新任の金本知憲監督から掛けられた言葉は、「しっかり投げてほしい」。先発として大きな期待がかかる岩田は、「毎試合、最低でもクオリティ・スタートは達成したい」と意気込みます。クオリティ・スタートとは、先発投手が6イニング以上を投げて自責点を3点以内に抑えた時に記録される指標。「クオリティ・スタートをクリアしないと、先発としての仕事ができない。誰が見ても試合を作ったという形を、しっかり作っていきたい」と目標を掲げました。
「開幕を狙わないといけない」と、開幕投手にも名乗り。「そこにいくために、自分らしく、周りのペースに乱されないよう落ち着いてやっていきたい。逆に、周りを巻き込むぐらいで」。マイペースを貫く左腕の視線の先にあるのは、開幕戦の真っさらなマウンドです。