福留孝介外野手が、甲子園で自主トレを公開。寒空の下、外野ポール間をランニングした後は、室内練習場に移動してキャッチボールを行いました。
約2週間のハワイでの自主トレでは、「特に自分の中で、今までと変えようとしたことはありません。中距離を多めに走ったぐらい」と走り込み中心で土台づくりに専念。「まだ野球の動きはそこまでしていないのでわからないけど、体調的にはいいと思う」と話し、ここまでの順調ぶりを窺わせました。
打撃に関しては「まだ何もしていない」という状況ですが、「慌てるつもりはない。焦って崩したら何の意味もないので、しっかり下半身を作ってから。毎年やってきているやり方なので、それを崩すことはないですね。沖縄へ行くまでに、バットを振れればいいかな」。38歳のベテランに、焦りや不安はありません。
昨季は、140試合に出場し、打率.281、20本塁打、76打点といずれもチームトップ(打率は鳥谷とタイ)の成績を挙げ、ベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。それでも福留は、「満足することはない」といいます。「ホームランはできすぎだけど、それ以外はもっと伸ばせるし、伸ばす気持ちでやらないといけない」。失うことのない向上心を覗かせました。
残り67本に迫っている日米通算2000安打には、「1本1本数えているわけじゃないし、あまり意識していない」といいますが、中日時代の2002年と2006年に獲得している首位打者には、「獲りたい気持ちは常に持っている」と強いこだわりを見せます。
「最初から諦めるのではなく、そういう(首位打者を狙う)気持ちを常に持ちながらできればいい。プロに入ってからずっと、1番上に立ちたいという気持ちは常に持っていますし、その気持ちがないと何もいいことは生まれない」と福留。今年4月で39歳となりますが、「昔からすると選手寿命が延びたし、状況が変わったので何が起こるかわからない。挑戦する気持ちを持ってやっていけたら」と意気込みました。
金本知憲監督は、就任直後から福留のレギュラー確約を明言。「名前を挙げていただいて、やらなきゃいけないというプレッシャーはある。自分のやれることをしっかりやれたら」と決意を表し、「ケガをしないこと。チームがどう勝つかを第一に考えて、プレーできたら。優勝を目指します」と今季の目標を掲げました。
野手では、鶴岡一成捕手と共にチーム最年長に。「まずは自分のやることをしっかりやる」としながらも、「役に立つことがあれば、少しでも」と若手選手を導く姿勢を示します。ハワイでの自主トレはPL学園高の後輩である緒方凌介外野手と合同で行い、「彼にとってプラスアルファになることができればいいなと思いながら、やっていました」と優しい先輩の顔を見せました。
初の一軍キャンプに抜擢された3年目の横田慎太郎外野手は、同じ鹿児島県出身。「キャンプ中、僕をゆっくり見ている時間はないと思うけど、いい刺激になればいいんじゃないかな。ちょっとしたところで、ちょっとしたことを見る余裕ができれば、いろんなことに繋がる。目一杯やればいいと思うよ」と、18歳年下の同郷人を激励しました。
プロ18年目の今季も、更なる高みを目指す福留。その頼もしい存在が、チームを頂点へと導きます。