宜野座キャンプ2日目。前日に続き雨に悩まされる中、午後には漸く屋外でフリー打撃が行われ、各打者とも気持ち良くバットを振り抜きました。
来日3年目にして初めてキャンプ・スタートから沖縄に入っている主砲マウロ・ゴメス内野手はスムーズな振り出しから安定した打撃を見せて、35スイング中5連発を含む14本のサク越えでスタンドを沸かせます。「オレは(現役時代、外野場外にある)駐車場まで飛ばしたよ。お前も飛ばせ!」。指揮官から話しかけられ、「ワオー!」と思わず目を丸くするゴメス。
「今日はイイ感じで打てていた。スイングに気をつけて、しっかりボールを叩こう!と心がけていたんだ」。金本監督からの指令もあって体重も121kgから116kgに減量して「自分でも軽い感じで動けている」ようで、「(初日から参加しているので)これまでの2年間より時間があるので、しっかり準備する事が出来る」と笑顔を見せます。オフの間は、かつてウインターリーグでお世話になったトレーナーの指示に従い、現地で体を動かしていたとの事。「今のところは、もっと絞り込むのではなくて(今の体重を)維持しよう」と考えています。
昨季は春先から極度の打撃不振に苦しんだ大和(前田大和)外野手もフォロースルーを大きく取るフォームで中堅バックスクリーンへ放り込む豪快なアーチを描き、ファンの度肝を抜きました。
フォーム改造の手応え十分なキャンプ始動にも大和は、「継続するだけ」と厳しい表情を崩しません。 しかし、金本知憲監督は「オレでも晩年は(バックスクリーンには)入ってなかったのに。(元々)インサイドを上手に打てる打者だから、長所を生かしたい。プラス、150km/hそこそこの投手にも行かせる(対応させる)。2ストライク後はより小さく振らせる。オレでも2ストライク後はノーステップで良く打っていた」と話して、目を細めていました。
午前中は宜野座ドームで投内連係が行われ、藤浪・秋山らも参加しました。初日は藤浪・福原・マテオを除く殆どの投手がブルペン入りしましたが、この日も能見・岩田・高橋・高宮と言った実績のあるところから次代を担う若手まで各投手が精力的に汗を流しています。
そのブルペンに顔を出したのは、50歳まで現役を続け昨季限りで引退したレジェンド左腕・山本昌さん。初日は北谷の古巣・中日を訪ねましたが、評論家として他球団キャンプ地訪問は阪神が初めてとなりました。同じサウスポーである岩崎・島本らの投球を観ながら、金本監督としばし話し込む姿が印象的でした。
ベテラン・福原らにも声をかけていた昌さんは、宜野座初視察の印象を次のように語っています。
「凄く良いムードだな!と思った。(藤川球児とも話をしていたが)知っている範囲で話せる事は答えた。ただ藤川位のレベルじゃしないような内容。(手術して2年位でかなり回復すると思うので、今季あたりは)150km/h投げられてもイイのかな?」。