第3クール最終日を迎えた日曜日の宜野座キャンプ。当初の予報では絶望的かと思われていた紅白戦が、曇り空の下 無事に予定通り8回まで行われました。
紅組先発・藤川は昨年秋以来の実戦マウンドでしたが、2イニング(26球)を1安打1三振1四球の無失点に抑えます。(最速147km/h)
「(紅白戦登板は)練習の中の一つ。まだまだですね。終わるまで鍛えるキャンプ。調整することなく(全力で)やりたい。その中で体力強化を図りたい」。登板後もブルペンに入って、「イニングを投げないといけない。次への準備」として更に投げ込む藤川球児投手にストイックな姿勢が漂っていました。
偵察した広島・玉山スコアラーは、「ブルペン通り。昔 日本で先発していた頃の感じ。後は、真っ直ぐが上がって来れば。捉えられた打球が多かったので。今日は投げられたらオッケーでしょう」と印象を語っています。
白組の先発・能見は、立ち上がり一死1塁から今成の打球がペレスの拙守で適時二塁打となる不運もあって先取点を許したものの、最速143km/h・2回(40球)を2安打2三振1四球1失点とまずまずの内容でした。
紅白の各3人目に投げた新外国人は対照的な結果となります。白組・マテオは最速151km/hの直球に2種類のスライダーが生きて1イニングを1安打無失点。紅組のドリスは、真っ直ぐこそMAX155km/hとマテオを上回ったものの、江越に左中間三塁打を浴びて荒木・中谷・上本には適時打を許して1回4安打3失点と散々でした。
「自分の投球を含めて、満足している。実戦練習の場でストライクを取る事を意識していた。内角ギリギリを突くのも自分のピッチングだ。効果的に使いたい」。キャンプでの初実戦マウンドを終えて、マルコス・マテオ投手は笑みを浮かべます。
「(右スリークォーターのマテオは)制球が悪そうな投げ方だけど、結構まとまっている。スライダーが相当イイ。(あんな球は)見たことが無い。(一方、ドリスに関しては)割とストライクゾーンに集まっていたかな? 反対にそこは打者にとっては打ちやすかったのかな?と思う」。金本知憲監督は、このように評していました。
この他にもメッセンジャーや移籍の左腕・高橋も無難な試運転を見せますが、「(高橋は)思ったよりストレートが走っている。中継ぎのワンポイントと言わず、1イニング位、右打者にも行けそうかな?」と指揮官は好印象です。
試合は、上本博紀内野手が4打数4安打と大活躍だった白組が4対0で快勝を飾りました。「(状態が上がっているか?は)まだ分からない。身体がバキバキなので」と話に乗ってこない本人に代わって、金本監督が次のように持ち上げます。「追い込まれて変化球を捉えたり、粘ってヒットを打っていた。彼なりに打撃で掴んだモノがあるんじゃないかな?」。
これで第3クールが終わりましたが、「敢えて言うなら、投手の仕上がりが早い。野手の方は、体は出来ているけど、まだ技術的について来ていない」と指揮官は言います。次のクールからは対外試合も始まって「これからは採点だから。採点の段階(振るい落としに入る)と言うのは選手も判っているだろうから」覚悟しておけ!のメッセージを送る指揮官。厳しく明るいキャンプは、いよいよ佳境を迎えます。