キャンプは休日。約3分の2を消化した沖縄では、厳しいトレーニングで追い込まれたナインに相当疲れの色が窺えます。体調を整えながらも、読谷村のチーム宿舎に隣接する室内練習場などを使って汗を流す選手の姿がありました。
左脇腹を痛め別メニューでの調整が続いているマット・ヘイグ内野手は、室内でキャッチボール・ティー打撃などを行いました。ケガも日々順調に回復へと向かっているようで、表情も明るいままです。
第2クール(9日)のランチタイム特打では、トーマス・オマリー打撃コーチ補佐の投げる球を気持ち良く振り抜きオーバーフェンスの打球を連発。初の紅白戦(11日)でも右へ左へ2安打を放って片鱗を覗かせた助っ人だけに「アメリカ人は、この時期(2月前半の時点)練習しないから」と金本知憲監督も無理をさせるつもりは毛頭ありません。
今回のキャンプでは、今季から本塁上の衝突を避ける為に捕手のブロックを禁止するなどの野球規則改正に伴った所謂コリジョン・ルール対策が話題になっています。従来とはクロスプレーの概念も変わる為に首脳陣も一つ一つのプレーを審判に確認するなど、非常に神経を砕いています。
第4クールにはサブグラウンドに内野手を集め、本塁送球の特訓を行いました。久慈照嘉内野守備走塁コーチは、「(送球が)高く浮いたらセーフ。三塁側に逸れても」捕手は走路を塞いではならない為にアウトにするのが難しくなるので「捕手のベルトからヒザ付近に投げて貰わないといけない」と言います。「フワッと投げる方が難しい。引っ掛けたり、抜ける事もあるから」。速く正確な送球の為に敢えて緩い球を投げる練習を課していました。今後、シーズンに入ってもこうした新ルール対策は継続して行く方針です。
次のクールでは、いよいよオープン戦も開幕。阪神の初戦はディフェンディング・チャンピオンである東京ヤクルト(21日・浦添)が相手です。その前に練習試合(対 東北楽天・20日・宜野座)も組まれており、ここには初の開幕投手を狙う藤浪晋太郎投手が先発予定。
16日の練習試合では2点適時安打を放った注目の新人・オコエ瑠偉外野手との対決もありそうですが、「相手の一人」に過ぎないながらも「洗礼を浴びないようにしないと」と甲子園のヒーローに対抗意識もチラリ。今季初の対外試合に静かな闘志を燃やしています。
また、20日は安芸でも埼玉西武ファームとの練習試合が予定されていて、2年目の守屋功輝投手が先発。ドラフト1位ルーキー高山 俊外野手は、出来るだけ多く打席に立たせたい掛布監督の意向もあって1番レフトで実戦デビューする事になっています。
キャンプ前には一軍・ファームでメンバーの入れ替えを積極的に行う方針を明らかにしていた金本知憲監督ですが、ここに来て「落とす人が見当たらない。ファーム(安芸キャンプ)が終わる(24日打ち上げ)まで無いかもしれないし、あるかもしれない」とややトーンダウン。裏を返せば、それだけ沖縄メンバーがしっかりトレーニングする事が出来ている!とも解釈出来ます。
ファンの期待は大きくシーズン開幕戦(対中日・3月25日 京セラドーム大阪)のチケットは、18日の販売開始直後に完売しました。オープン戦も始まり実戦が本格化する第5クールですが、「まだまだ自分たちの打撃をさせたい。(ある程度自由に打たせて)細かい事をやらない」構えの新人指揮官。 若虎にとっては、勝負どころ。「どんなタイプの投手が来るか?わからないけど」打者の対応能力に注目しているようです。