西日本が大雨に見舞われた土曜日。安芸で予定されていた練習試合(対 埼玉西武ファーム)は中止となりました。 一方、キャンプ第5クール初日を迎えた宜野座では、東北楽天を迎えての練習試合が行われました。
阪神先発・藤浪は立ち上がりから制球に苦しみ、2回表には四球・エラー絡みで一死1・3塁のピンチを招き、高校生ルーキー8番オコエにファーストストライクの151km/h速球を狙い打たれた中前適時安打であっさり先取点を与えます。
続く嶋にも中越え適時二塁打を浴び、捕逸でもう1点許して1番 聖澤には死球。二死後、茂木の適時打と盗塁の際の拙い守備を挟んで4番ウィーラーにも適時安打を打たれて大量失点となります。3回表は3人で抑えたものの、3イニングで5安打6失点と散々な内容でした。
「真っ直ぐの感触は、そんなに悪くなかった。結果が結果なので良いとは言えないけど、感触は良かった」。初の対外試合登板を終えた藤浪晋太郎投手が淡々と振り返ります。「捕手に言ってたのもあるけど、ストレート一本調子になってしまった。ファール取れないのも課題だし、変化球でカウントを取れないのも課題。オコエは良い振りをしている。プロの厳しさを教えてもらいました」。冗談っぽく高校生ルーキーを讃えました。
楽天・梨田昌孝監督がオコエと藤浪の対決についてコメントしています。「(オコエが)これまで打って来たのは変化球ばかりだったので、速い球に振り遅れない事をテーマにやって来た。藤浪の球もちょっと低めで距離を取れるところだったので」対応出来たに過ぎないとの事。それでも、金本知憲監督は、「楽しみですね。(普通なら)高校出てすぐに藤浪からヒット打てんで!」とスーパールーキーを褒めました。
4回から登板した榎田は、打たせて取る投球で2イニングを無安打無失点。5回表には四球の走者を出しながらも代打・栗原を投ゴロ併殺に打ち取る危なげなさで好調を維持していますが、「ボールが結構高かったので、そこのところをしっかり!」と話して、安易な妥協を許しません。下柳 剛臨時投手コーチから指摘されている課題を常に意識しているらしく、「軸が突っ込まないコトが大事。(余計な四球を出してしまったのも体の軸が)ぶれているから。そこは気をつけないといけない」と話しています。
試合は、阪神が4回に今成が塩見から打った一発と7回 坂本・横田の長短打で反撃するも序盤の大量失点があまりにも重く、6対2で楽天に敗れました。
「空模様と一緒で、パッとしない試合だったが、反省材料が出て良いんと違いますか?あまり語るような試合ではない」 。観戦した坂井信也オーナーは言葉少なでしたが、打たれた藤浪も「出た課題もあるので、それを踏まえて(残された)貴重な時間の中でレベルアップしたい」と前向きに話しています。
守備面では2回表 二死1・3塁で1塁走者の盗塁に対する送球をベースカバーに入ったセカンドの上本が捕球出来ずに外野に抜けた為 失点してしまった場面が大きな反省点となりました。
「サインのミスは無いネ。上本がスルーしただけ。スルーは練習どうこうのレベルじゃないでしょ。(コリジョン・ルールとかは)関係ない。今までにあるサインだから」。金本監督は、ミスを厳しく指摘しました。高代延博ヘッドコーチも、「少なくとも(送球を止めて)下に落としとけば(サード)ランナーは止まってたんや」と話しています。
9番ライトでフル出場の横田慎太郎外野手は、この日も適時安打を含む3打数2安打1打点の活躍。「横田は(練習を見てると)とても出そうな形に見えないけど、予想外に実戦的なのか?どうか分からない。もともと不思議な存在」と指揮官は見ています。「(それでも)真っ直ぐ打ちに行って、変化球にタイミング合わせるのは!」非凡な能力であり、守りも含めた総合力で競争に勝ち抜くかもしれない若武者の更なる成長に期待を寄せていました。