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オフトラニュース

崖っぷちからの一発

2016/2/27

最終クール3日目。宜野座では韓国・サムスンとの練習試合が行われ、阪神が2対0で完封勝利を収めました。

先発は、4年ぶりの阪神復帰後、対外試合初登板となる藤川球児投手。2回を投げて、無安打無失点の好投を見せました。最速144キロの直球を軸に、スライダー、カーブ、フォークを織り交ぜ、許した走者は四球の一人のみ。6つのアウトのうち、5つは外野フライ、残る1つは空振り三振に仕留めています。

「少しバランスが悪かった。まだまだという感じ」と藤川は自身の投球を振り返りましたが、金本知憲監督は開幕ローテーション入りを示唆。先発としての調整は、順調に進んでいます。

2番手のランディ・メッセンジャー投手は、2回をパーフェクトピッチング。打者6人から見逃し2つを含む3三振を奪い、貫禄を見せつけました。直球の最速は151キロを記録しましたが、「球速は気にしていない。大事なのはコントロール」と平然。「今日は、どの球種も投げたいところに投げられた」と手応えを口にしました。藤浪晋太郎投手との開幕投手争いにも、「自分が開幕投手だと思ってやっていく」とキッパリ。2年連続3度目となる大役に、自信を覗かせました。

福原忍投手に続き、4番手で登板したマルコス・マテオ投手は、1回を無安打2奪三振。左打者3人を完璧に抑える快投で、対外試合デビューを飾りました。金本監督は、マテオの獲得について「左からの奪三振率を調べて判断した」と明かして満足顔。守護神候補は、「いい感じで投げられた。継続していきたい」と納得の表情を浮かべています。

マテオ以降も、榎田、鶴、歳内と、阪神投手陣は完封リレー。韓国シリーズを2011年から2014年まで4連覇した強豪サムスンを、わずか2安打に抑えました。

完封リレーをリードしたのは、岡崎太一捕手とドラフト2位の坂本誠志郎捕手(明大)。先発出場の岡崎は六回までマスクを被り、4人の投手の好投を引き出します。打っても、二回二死の場面で、左翼線を破る二塁打。正捕手獲りへ、攻守でアピールしました。

阪神で唯一得点を挙げたのは、八番三塁で先発出場の陽川尚将内野手。二回二死、5試合連続となる安打を放った横田慎太郎外野手を一塁に置き、高めのスライダーをバックスクリーンへ。豪快な2ランを放ちます。

最近の対外試合3試合では、11打数1安打。「1打席1打席が勝負。結果を残していかないと、一軍に残れない」と背水の覚悟で臨み、必死さが一発を生み出しました。11日の紅白戦、16日の楽天との練習試合に続き、今キャンプ実戦3発目となる本塁打で、一軍生き残りをアピールします。

連日打撃指導を行ってきた金本監督も、「力で持って行ったというか、開きがないから。左肩の開きが我慢できたから、詰まっても押し込める」と評価。1安打を放った江越大賀外野手と共に、「二人とも崖っぷちから1歩前に出たね」と頬を緩めました。

練習試合終了後は、特打のメニューをこなした陽川。生き残りを賭けた戦いは、まだまだ続きます。

ドラフト1位の高山俊外野手(明大)は、五番左翼で先発出場。3打数無安打に終わりましたが、「力みもあるだろうしね。形そのものはそんなに崩れた凡退じゃないし、凡退してもちゃんと腰と顔の位置は変わらない。軸がぶれないね」と指揮官の評価が揺らぐことはありません。

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