キャンプ後 初の実戦となる福岡でのオープン戦(対 福岡ソフトバンク・ヤフオクドーム)がナイトゲームで行われました。
「最強打線なので、打たれて当然くらい」の気持ちで登板した阪神先発・岩田ですが、初回 長谷川の左中間二塁打から四球・死球で無死満塁とピンチを招き内川・中犠飛と吉村・右前適時安打でいきなり失点します。3回裏には守備のちょっとした隙を突かれての二死2塁から吉村に2打席連続の適時安打を浴びて追加点。それでも、低めに集めて内野ゴロを打たせる投球は健在で5回(84球)5安打3三振3四死球3失点と何とかまとめました。
「球数も多いし、内容も悪い。(結果として)しっかりイニングを投げた形。初のオープン戦で力み倒していた。外から自分が投げたい球が行かなかった」。投げ終えた岩田 稔投手からは反省の言葉が並びます。「途中は(修正して)良かったけど、常に出していかないと・・・」。
ただ、「実戦でしか経験出来ない」力みだっただけに苦しんだ事も大きな収穫です。「ドームのマウンドで傾斜を経験出来て(京セラドームの開幕シリーズへ)より意識を持って投げられる」と話していました。
打線では1番の緒方が1・2打席連続初球撃ちで右中間二塁打と遊撃強襲安打。3打席目は右ヒザ付近に死球を受けます。「(当たったのは)骨か?肉か?」と指揮官が尋ねると「肉の部分で本人も行ける!と言うから」交代させなかったとのコト。緒方凌介外野手の「こんなところで代われない!」強い思いがプレー続行へと導きました。
「1番を任せてもらったので、とにかく初球から行こう!と。キャンプから(チーム全体で)真っ直ぐに負けずに行こう!と言うのがあった。振り遅れないように。見送ったら負けるので」。この緒方の心意気に金本知憲監督も、「アレは褒めてやらないと。迷いなく、ガン!と打つことが大事だ」と目を細めています。
キャンプ中から実戦で打ちまくる7番 横田は5回表 加治屋から中前適時安打を放つなど2安打1打点とこの日も結果を残しています。この試合では横田を含めて3つの盗塁失敗がありましたが、「いやいや全然(問題ない)。2球以内にスタート切ったでしょ?そこが成長(した部分)。勇気持って走る事が出来た。今までになかった」と指揮官は、むしろ積極姿勢を評価しています。
6番レフトで先発出場のルーキー高山は二ゴロ併殺打・空振り三振のあと、同点となる俊足を生かした遊撃適時内野安打でオープン戦初安打を記録。4番の陽川も8回表の第4打席で右へ一本ヒットを打ち、若虎の激しい競争はとどまるところを知りません。
9回表には鷹の守護神サファテに若虎が挑みますが、いきなり150km/h台の速球を続けられた高山は結局フォークに二ゴロ。横田と代打・江越も共に空振り三振に倒れ完璧に抑えられましたが、これも将来への貴重な経験です。
虎のリリーフ陣では3人目の榎田が7・8回の2イニングを投げて四球を一つ与えたものの無安打無失点と安定感のある投球を見せて、大きくアピールしています。同点の9回にはクローザー候補のマテオが登板。140km/h台後半の速球と高速スライダーで三振1を含む3者凡退で鮮やかなオープン戦デビューです。試合は3対3の引き分けに終わりました。
「問題ない感じで良く出来た。(福田には大飛球を打たれたが)あの球は、自分では悪くない強い球だった」。上々な試運転にマルコス・マテオ投手も納得の表情で引き揚げています。