金本阪神として初めて甲子園で行われたオープン戦(対 千葉ロッテ )。鳥谷・ゴメス・福留がクリーンアップに並ぶオーダーで臨みました。
初回の打席はロッテ先発・大嶺祐の変化球に空振り三振に倒れた4番ゴメスですが、4回裏の2打席目に早速修正して三塁線を痛烈に破る二塁打を放ちました。
「最初低いボール球に手を出して三振したので、コースをしっかり見極めてストライクゾーンを打とうと意識したよ」。地元での実戦試運転を終えたマウロ・ゴメス内野手は、早々とクラブハウスへと引き上げます。
「(打った事より)セカンド行って、しっかり第二リードも大きく取っていたから。そこがゴメスの素晴らしいところだ」。金本知憲監督は、主砲の走塁姿勢を絶賛していました。
先発した能見は、毎回走者を許しながらもチェンジアップなど変化球を駆使して要所を締め、4回(64球)を2安打3三振2四球無失点に抑えます。
「全体的にはそんなに良くなかったけど、(捕手の岡崎)太一もブルペンでのボールの質を把握しながら(よくリードしてくれたし)要所をしっかり投げる事が出来た。(拘りを持って取り組むストレートは指にかかったり、かからなかったりで)物足りない感じがするが、それでも追い込んでから真っ直ぐで勝負出来たし、これからしっかり磨いて行きたい」。能見篤史投手が振り返ります。
試したかった部分で出来たのは 「半分くらいかな?もうちょっと左打者が出て来て欲しかった」と言う事ですが、今後については「(走者を得点圏に)背負った時のモノとか、右(打者へ)の外真っ直ぐでカウントを取れたら(もっと投球の)幅が広がるかな?」などと課題をあげていました。
5回から登板したルーキー青柳は、最初ストライクが入らず3連続四球の乱調から2点を献上しますが、次の回は本来の投球で強打者・井口から見逃し三振を奪うなど片鱗を覗かせました。
「大きな舞台で投げたことがなかったので、球場の雰囲気に緊張して制球に苦しんだ。ベンチに帰ったら、福留さんに顔色悪いぞ!と声をかけてもらい(気持ちが)ほぐれた。2イニングス目は良かった。井口さんからの三振は(自分がプロになる前から)見ていたバッターだったので、嬉しかった。次は今日のような事が無いように・・・」。青柳晃洋投手は、ほろ苦い甲子園デビューを今後の教訓に刻んでいます。
ドラフト1位・高山 俊外野手は、5回裏 先頭打者でロッテ先発・大嶺祐のツーシームを中前へ運んで、この日も安打を記録しました。「(甲子園の初戦だが)雰囲気に飲まれることなく、いらないことは考えないようにした」と新人らしからぬ落ち着きです。
先制を許し終盤まで追いかける展開の中で、8回裏 途中出場の北條が2打席連続ヒットとなる左前適時安打を放って同点とする二枚腰の野球を見せた阪神ですが、9回に登板した高橋が味方の拙守からピンチを招き、連続適時打を浴びて万事休す。本拠地初陣は、4対2でオープン戦初黒星となりました。
「北條は(ヤフオクドームの時もそうだが)チャンスでの打席で何かやってくれるんじゃないか?と期待が持てる。(右に打てるとか進塁打とか)色々あるけど、打者の一番の価値は、チャンスに打つこと。北條は頼もしい!と言うか、期待が持てるよね!」。試合後、台頭する若虎に最大の賛辞を贈った金本知憲監督。着実に力をつけてきた新勢力に確かな手応えを感じている様子です。