共に新体制となって初めて激突する伝統の阪神・巨人オープン戦(甲子園)。開幕ローテ入りが確実視される阪神先発・藤川が登場しました。
初回 巨人は1番 立岡の中前安打・盗塁などで一死3塁として3番 長野が甘い変化球をセンター前に運ぶ適時安打であっさり先制しますが、藤川はその後のピンチを落ち着いて凌ぎます。2回以降は安定感ある投球でクルーズのヒット一本だけに抑えて、4回(55球)3安打1失点でマウンドを降りました。
「久々の甲子園・巨人戦でどうしよう?というスタートだったが、2回以降は引きずらないよう、リラックスして投げる事・力を入れるところと抜くところ(の切り替え)が出来た」。藤川球児投手が冷静に振り返ります。
「今日はチームの方向性もある中で自分のピッチングをちょっと見せられたかな!と言う感じ。立ち上がりが課題だが、そういうことに執着せず、自分のやれることをやって行きたい。試合では最小失点に!ケガのないように!。次回以降は球数も増えると思うけど、真っ直ぐで押して行ければ!と思う。安定感をもって、しっかりゲームを作っていきたいし、試合の中で時折厳しい表情を浮かべる監督が笑顔になれるような投球をしたい」と抱負を述べました。
香田勲男投手コーチは、 「(藤川はツーシーム系を多投していたのか?の問いに)それはちょっと分からないけど、色んな球を試すと言うのはある。本人もリリーフ(の時と)違う攻め方をすると言ってたから・・・。球数も4回で55球だが、ボールの力が落ちるとか、バランスを崩す事もなかった。また一つ段階を上がってくれたかな!」と話しています。
また、前日の青柳・金田に続き、ファーム組から参戦した守屋・石崎が良い内容を見せた事に関しては、「彼等も(昨季ファームの指導者として)一年見せてもらって、成長の跡が見られる。凄く楽しみな選手が増えたな!と。まだまだ課題もあるので引き続き鳴尾浜で(磨いてもらう方針だけど)・・・いつか戦力になってくれると信じてるから!」と若手投手の成長ぶりに目を細めていました。
巨人先発・内海に対して鳥谷・福留のヒットなどで作った初回の二死満塁を逃した打線は、3回裏2番 西岡の左二塁打から一死3塁として4番ゴメスが詰まりながらセンター前に落とした適時安打で追いつくと、4回には今季オープン戦初出場の6番 狩野から6連続安打の猛攻でビッグイニングを形成。小宮山・鳥谷・西岡の適時打などで一気に5点を奪って大勢を決しています。(試合は、6対1で阪神勝利)
「ポイントと言うか、一番見習って欲しいのは西岡の叩きつけたやつ(ファーストオーバーの2点適時安打)。(追い込まれても)三振だけはしないぞ!という」中堅選手気迫の一撃を賞賛した金本知憲監督。いずれも早いカウントから打ちに行った6連打に片岡篤史打撃コーチも、「強く振り切ると言うコトをキャンプからやって来たけど、いざ実戦だと積極性が無くなったりしていた。(そんな中で福岡では監督からの檄も飛んだが、今日は各打者共 打席に入る時に)狙いダマを絞るとか、自分の中で整理出来ていた」と話して、監督が言う積極性と集中力の重要さを強調しました。
6連打にも加わったルーキー高山 俊外野手は7回裏の第4打席にも球界を代表する名リリーバー山口から中前安打を放ってマルチヒットを記録。「来た球に素直にバットが出た。(打ち方を左投手だからと)何も変えていない」と質問に涼しい顔で答えました。
これには、百戦錬磨の金本監督も「全盛期は過ぎているとはいえ、内海と山口からと言うのは!」と舌を巻きます。片岡コーチもは「(実績ある両左腕からと言うのは)自信になる。監督もボクも(左打者だから左投手が苦手などと)決めつける事はしたくない」と話していました。
オープン戦と言っても本拠地に宿敵を迎えるにあたって前日 指揮官は「勝ちに行こうぜ!」とナインに敢えてハッパをかけて挑んだ特別な試合。ライバルのユニフォームに猛虎が本来の野生を取り戻したこの一勝は、シーズンに繋がる大きな白星となったようです。