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オフトラニュース

被災地への思い

2016/3/11

東日本大震災から5年。穏やかな日差しに包まれる甲子園球場では、一軍の練習前に黙祷が捧げられました。スコアボード上に半旗で掲げられた球団旗を背景に監督・コーチ・選手は勿論、球団幹部・スタッフ・球場関係者らが一二塁間後方の芝生上に並び、東北方面に向かって哀悼の意を表しています。

「大学が仙台(東北福祉大)だからネ。やっぱり東北は第二の故郷」と言う思いがあるだけに、金本知憲監督の言葉にも一層力が籠ります。「5年前は室内練習場にいたからね。東北の人に聞いても、みんなが思ってるほど復興が進んでいない」現状を憂いていました。

高校(青森・光星学院)時代を東北で過ごした北條史也内野手は、当時の監督から授かった「当たり前の事を当たり前に出来る事に感謝するように」という言葉を覚えています。交流戦では宮城での試合も組まれていますが、
「(応援してくれている人達の中には)震災でまだ避難している人もいる。そういう人達に勇気とか感動とかを与えるプレーを出来るようにしたいし、プロ野球選手はそうでなければいけないから」より一層のモチベーションを持って、今季は何としても一軍で活躍する決意を口にします。

熾烈な開幕一軍生き残りへ「(オープン戦で)ヒットが出てる事は良いコト。もっと練習してアピールしていかないといけない立場。1打席、1プレー、1球1球が勝負だし、アピールしていかないとダメ。集中力を切らさずやって行きたい」と話していました。

公式戦開幕を2週間後に控えて、練習の雰囲気も本番モードに近づいて来ました。投内連係ではマテオ・ドリスもキビキビとした動きを見せます。 この日はファームで調整していた筒井・伊藤和も参加し、ケース別のバント練習に登板。メッセンジャー・秋山・藤浪ら投手も打席に入って生きた球をバントする事に取り組みました。

「(今回はどちらかと言えば)投手の為の練習。なあなあにならないよう。投手もバントは大事だから!・・出来るまでやる!と言うネ。でも、成功率とか(キャンプでやった時と)そう変わってないけど、構えとかは変わって(良くなって)来た」。金本監督は、そう言ったところに選手における意識の変化を感じ取っています。

オープン戦も残り8試合となって、バントを始め色んな作戦についても「そろそろネ。右打ち、スチール、ヒットエンドランとか・・・エンドランは(既に何度か)やってるけどネ」と話して、今後は多用して行く構えです。ただ、まだまだ野手の競争が決着しそうにない事からシーズン中のように投手を打順に入れるのは「残り3試合位で良いんじゃないの?」と話しています。

10日(対DeNA・甲子園)にオープン戦初安打を記録したマット・ヘイグ内野手は、「守備ももっと上手くなりたいと思って」熱心なフィールディング練習に取り組みました。コーチからは、ステップが後方に向かってクロスする感じになっているから修正するよう指示を受けていますが、「土のグラウンドは柔らかいので、その分下半身を使って送球しないといけない」難しさもあって「しっかり練習して」克服する事を誓っています。

群雄割拠の外野争いを勝ち抜く為に緒方凌介外野手は、残りのオープン戦では「塁に出る事と三振しない事」をテーマに掲げました。「この前 西武戦では、簡単に三振してしまった。何とか転がせば0パーセントにはならない。エラーとか内野安打とか」何かが起きる可能性を残す為に「三振しない打者を目指して」やって行きます。

オープン戦序盤で真っ直ぐに強いところを印象づけた為、「ここ最近は変化球ばかり。そこで弱さを見せてしまったら、シーズンに入っても変化球攻めばかりされてしまう。そこは課題として、何とか変化球もしっかり打てるように」自分に言い聞かせる緒方。ライバルとなる横田・高山も好調を維持していますが、「気にならないと言えば嘘になる。こっちもやらなければ!と言うプレッシャーもあるけど、競争だから負けないように。良い意味での厳しさだから、それを勝ち抜けるように、守備なら1イニング、打席なら1球1球(今季に全て)選手生命を懸ける位のつもりで必死に行きたい!」と語り、不退転の覚悟で挑みます。

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