寒風吹く甲子園で行われた北海道日本ハムとのオープン戦に開幕投手のメッセンジャーが先発。2回表に4番 中田に変化球を先制アーチをレフトスタンドまで運ばれますが、その他は危なげなく4回までは安定した内容を見せます。5回表は先頭5番 大谷を歩かせ走者を背負った事で、岡に盗塁を決められるなど少しバランスを崩したものの大過なく予定の5回(71球)を1安打6三振2四球1失点と好投しました。
「良かったよ。ヒット1本に抑えたから。それが失点になってしまったけどネ」。ランディ・メッセンジャー投手は、登板後もご機嫌です。「今日はカットボールとスライダー。2種類の変化球を多めに投げようと決めていた。(捕手・岡崎とのコンビは)ファームやオープン戦等でも常に気持ちよく投げる事が出来るし、ゲーム中もコミュニケーションがしっかり取れているから」と相棒への信頼度も高いようです。
リリーフ陣は磐石! 6回表1イニングを投げた2人目・マテオは一死後 2番 田中に右前安打を浴びるなどして得点圏に走者を背負うも、落ち着いた投球で無失点に切り抜けます。終盤の3イニングは鶴・歳内・二神がそれぞれ3者凡退に封じました。
なかでも歳内宏明投手は、抜群の内容です。 数球投げたカーブについては「球速はこれまでと変わっていないけど、コントロールは良くなってきた。ストライクを取れる技術が上がった。3球のうち2球ストライクが取れれば、もっと楽なピッチングになると思う」と話して手応えを口にします。
中島卓・杉谷からはフォークで空振り三振を奪う圧巻の投球。2月21日の東京ヤクルト戦(浦添)ではスライダーを多投していましたが、「フォークもいい状態。ブルペンでやってきたことが結果に出ている」と胸を張りました。
1点を追う打線は、日本ハム先発・メンドーサの緩急自在な投球に翻弄されて繋がりません。3回裏は高山が初球・変化球をバットの先で中前へ運ぶチーム初ヒットで出塁(高山はオープン戦7試合連続安打)。一死後9番 岡崎との間でヒットエンドランを仕掛けますが、変化球を空振りして走者は盗塁失敗となります。 「最高のツーシームだったね。あの一球だけやろ?(空振りも仕方ない切れ味なので)アレはその時サインを出した私の責任」。金本知憲監督もメンドーサには脱帽していました。
1番 西岡は好調! 4・7回にいずれもヒットで無死1塁の場面を作った為、続く大和のところでバント絡みの作戦を試みました。(セーフティバントがファールになったり、バントの構えからのバスターだったりで結果的には投ゴロ併殺打・一ゴロに終わる)。7回裏はゴメスの内野安打もあって二死1・3塁と大きなチャンスでしたが、三塁側・栗山監督が投入したルーキー左腕・加藤に福留が1球で遊ゴロに仕留められてしまいます。
「(2安打の西岡は)経験もあるし、こういう投手はこう打つと言う狙いダマも的確だったんじゃないかな? 打つ方は段々上がって来てるように思うけど、分からんからな!あの男は・・・って冗談だからな(笑)」。指揮官に軽口を叩かせる程、西岡は順調です。
この後、谷元〜鍵谷とシーズンさながらの継投で逃げ切りを図る日本ハムに終盤 横田や北條といった若虎たちがヒットを放って食い下がりますが、阪神にはホームが遠く 1対0で敗れています。
高山・横田の安打揃い踏みは4戦連続となりますが、「続けてるから、ヒットはね。何かしら1本は打ちよるわ!」と鉄人指揮官が舌を巻く勝負強さで、2人の開幕スタメンが日に日に現実味を帯びて来ました。
それでも、特に若い選手には「開幕が全てじゃないから。一年長いから。開幕スタメンがずっとレギュラーじゃない。143試合最後まで競争」のつもりでやらせる方針の指揮官。負けじ魂のぶつかり合いが、チームを更に強くして行きます。