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オフトラニュース

掛布ファーム監督、初陣に手応え

2016/3/15

ウエスタン・リーグが開幕を迎え、掛布雅之ファーム監督が鳴尾浜球場で初陣に臨みました。対するのは、小笠原道大ファーム監督率いる中日。新監督同士の顔合わせです。

開幕の先発を託されたのは、島本浩也投手。10日のDeNAとのオープン戦(甲子園)で2回1失点と結果を残し、一軍の先発6番手争いに名乗りを上げた中でのマウンドとなりました。

「初回から危なかったので修正していこうと思ったけど、自分の調子と勝負してしまった」と精細を欠いた島本は、4回10安打6失点と乱調。「球が全部高くなってしまいました。ピンチの場面では、落ち着いたらもっとフォークを投げられたのに、テンポが速くなってスライダーばかり投げてしまった」と反省を口にします。

三回には、ナニータと福田に二者連続で本塁打を打たれるなど6連打を浴びますが、掛布ファーム監督は「途中で代えることは簡単だけど、本人が納得するまで投げないと」と四回終了まで続投。「島本はストライクゾーンが合っていなかったね。開幕投手でいい経験をしたと思うし、何か感じてくれたんじゃないかな。次の登板を楽しみにしたい」と話し、試合後には島本に「暗い顔するなよ!」と声を掛けていました。

「開幕を任されてしっかり結果で応えたかったけど、こういう結果に終わったので、次しっかり抑えることができるように。先発は中継ぎ以上に低めのコントロールが大切だと思うので、ブルペンでコントロールを磨いていきたい」と、島本も次回登板に向けて前を見据えています。

2番手でマウンドに上がったのは、ルーキーの青柳晃洋投手(ドラフト5位・帝京大)。1回を無安打無失点に抑える好投で、公式戦デビューを飾りました。

「開幕戦に投げられて嬉しいです」と笑顔を見せた青柳ですが、四球を出してしまったことを猛省。「一番の課題なので。結果は良かったですけど、内容が。ストライクを先行できても、勝負しきれなかった」と悔やしを滲ませました。

打線は、再三得点圏に走者を送りながらも13残塁と拙攻が目立ちましたが、九回には四番・三塁で先発出場の陽川尚将内野手が左翼へソロ本塁打。「真っすぐです。うまくさばけたかなと思います」と一発を振り返りました。それまでの4打席は凡打に終わり、「打ち損じたり、ボール球に手を出したりした。最後に1本出たので、明日につなげられたら」。「どんな形であれチャンスが来ると思うので、自分の持ち味を出して結果を出して、一軍に呼ばれるよう頑張りたい」と、長打力アピールで一軍再昇格を目指します。

一番・中堅で先発した江越大賀外野手は、5打数で2安打放ち、五回には一塁へのゴロを全力疾走で内野安打に。掛布ファーム監督は、「江越は悔しい気持ちを持ってファームでやっているけど、ああいう姿を見せてくれたのは今日の試合の収穫」と目を細めます。「全力疾走は、調子が悪くてもできる。できることはしっかりやりたい」と江越は話し、「自分が捉えたと思っても凡打になることが多かった。下半身でタイミングをとることを意識しています」と課題を挙げました。

「開幕一軍をつかむために、江越はこの3連戦が勝負」という掛布ファーム監督の言葉に、「変な意識はないけど、アピールしないといけない。いい緊張感があります」。キリリと表情を引き締めました。

開幕戦は、2対9の完敗。それでも掛布ファーム監督は、「勝ってスタートするに越したことはないし、悔しいのは悔しいけど、全力疾走など前を向いて野球をやってくれていたので良い手応えを感じた」と話します。「キャンプからやってきたのは、自分の野球に責任を持つことと、野球の怖さを知ること。1敗というのは重く受け止めますが、選手一人一人が自分の野球に対する責任を感じていると思う。それが大きい」と成果を挙げ、「負けたけど、気持ち的にはスッキリしてます」と晴れやかな表情を見せました。

この日の鳴尾浜球場は、試合開始45分前には入場制限がかかるほどの超満員。「たくさんのファンの方が来てくれて、いつもの鳴尾浜にない雰囲気があった。その中で試合ができて、選手にもプラスになったと思う」と掛布ファーム監督。多くのファンに見守られ、背番号31率いる若虎たちが、静かながらも着実にスタートを切りました。

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