開幕まで、いよいよ1週間。その開幕戦で対する中日と、ナゴヤドームでオープン戦を戦いました。
前日のヤクルト戦に引き続き、二番中堅で先発出場した横田慎太郎外野手が、この日も3安打1打点の活躍。8試合連続安打に3試合連続マルチ安打と、20歳の若虎の勢いが止まりません。
初回、無死一塁で第1打席を迎えると、中日先発・濱田達の6球目、緩い変化球を右翼線へ二塁打。続く鳥谷の先制犠飛の間に三塁へ進むと、福留の中前適時打で本塁に還ります。
三回には変化球を中前に運び、2打席連続安打をマーク。この回、盗塁を企画しアウトになりましたが、金本知憲監督は「キャッチャーに投げやすいところにいって、最高のボールになったからね。あそこで消極的になってほしくない。アウトになってもいいから走れ、と言っているんだから」と横田の走塁への意識を評価しました。
五回の第3打席は2番手福の前に投ゴロに倒れたものの、七回には無死一塁の場面で3番手小川を強襲する内野安打。足で猛打賞をもぎ取ります。
4対4の同点で迎えた九回、無死二、三塁から代打狩野の適時打で勝ち越し、なおも無死一、三塁の好機で、5番手祖父江から左犠飛を放って1打点。貴重な追加点を挙げました。
4打数3安打で、打率は.432に上昇。オープン戦での通算打率が12球団トップとなり、ついに首位打者に躍り出ました。
それでも「打率は気にしない」と横田。「結果を出すことだけを考えて、1試合1試合を大事に」と表情を引き締めます。プロ3年目で初めての一軍、さらには開幕スタメンも視野に。「最後まで一軍に残れるよう、明日からまた頑張っていきます」。地に足をつけ、しっかり前を向きました。
六番左翼で先発出場したルーキー高山俊外野手も、六回、一死一、三塁で初球の真っすぐを中前に運び、2日ぶりとなる打点を挙げています。「ストレートを狙っていけと言われたので、そのタイミングで振りました」という納得の一打で、先発出場した試合では10戦連続となる安打をマーク。開幕スタメンに、また一歩近づきました。
六回には、八番でスタメンマスクを被った梅野も、中前へ適時打。若手とベテラン、共に快音を響かせ、阪神打線は12安打6得点を挙げています。
阪神先発は、開幕ローテーション入りを狙う秋山拓巳投手。結果を残して先発6番手の座を掴み取りたいところでしたが、4回を投げ8安打4失点と、アピールすることができませんでした。
初回は3者連続でフライアウトを奪い、わずか6球で完璧な立ち上がりを見せたものの、二回、一死から平田に左翼へソロ本塁打を浴びると、続く藤井には右中間へ三塁打、杉山にも左へ二塁打を打たれるなど、中日打線に捕まります。
秋山は、「立ち上がり、真っすぐで差し込んでいていいかなと思いながら、二回は慎重にいってしまった。立ち上がりみたいにシンプルにいけば良かった」と、投球を振り返り悔やみました。
投手陣は2番手以降、榎田、高橋、歳内、鶴が中日打線を0封に。6対4で、前哨戦は阪神に軍配が上がりました。1週間後、舞台を京セラドームに変えて、シーズン初めの真の戦いに挑みます。
その開幕戦のマウンドに立つランディ・メッセンジャー投手が、ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)で最後の調整登板をしました。
7回を1安打無失点、わずか62球で料理する貫禄のピッチングを披露。1週間後に迫った開幕に向けて、順調そのものです。「いいリズムで投げられた。岡崎捕手と二人で、いい仕事ができたよ」と満足感を漂わせました。
打線は初回、江越、荒木、中谷の3連打で1点を先制すると、三回には陽川が3号2ラン。五回にも陽川と岡崎の連続適時打で2点を追加し、5得点を挙げました。メッセンジャーの後を継いだ横山、金田も1本の安打も許さず、5対0の完封勝利。掛布雅之ファーム監督が、開幕4試合目にして初の勝利を手にしています。