オープン戦は、あと3試合。今日から、京セラドームで対オリックス3連戦です。
先発は、開幕2戦目となる中日戦での登板が予想される能見篤史投手。「京セラで開幕なので、いろいろ意識しながら」と、1週間後に迎える本番と同じマウンドに立ちました。
6回を投げた能見は、4安打、失点は暴投による1点のみと危なげないピッチング。スライダーとフォークを低めに集め、8つの三振を奪いました。「三振は意識しなかった」という能見ですが、「『変化球をこう使いたい』というのを、岡崎にも要望を出した」と、バッテリーを組んだ岡崎との共同作業で三振を積み重ねています。
岡崎は、共に2004年度のドラフト自由枠で入団した同期生。「今まで組んでいない分、いろいろ意見が分かれることもあるけど、お互いしっかり、どういう意図なのかを確認しながらやっていければ。いきなり呼吸が合うのは難しいので、こっちがカバーしてあげようと思う」と、女房役とのコミュニケーションも問題ありません。
金本知憲監督は能見の投球を、「全く問題も不安もなし」と称賛。「変化球が良かったね。真っすぐは、キレ自体は今日は特別いいと思わなかったけど、ファウルを取れていた印象はある」と評価しました。
球数は6回で99球と多めでしたが、能見は「球数が投げられて逆に良かった。疲労はあまり感じなかったです」と話し、体力面での仕上がりも万全です。
この試合、能見の活躍はピッチングだけではありませんでした。1対1で同点の六回、一死満塁の場面で打席に入ると、オリックス3番手岸田の140キロ真っすぐをフルスイング。打球は左中間へと運ばれ、2点二塁打に。バットでも、決勝点を叩き出す活躍を見せました。
適時打について訊かれると、「それはいいよ」と照れ笑いを浮かべた能見ですが、「ああやって繋がるのは、勝利に近づけるので」。今季も、能見のバッティングに期待できそうです。
開幕後の初登板まで一週間。「もう少しこうしたいなというのが自分の中であるので、しっかり準備したい」。順調に調整を進めてきた左腕が、最後の仕上げに入ります。
打線では、一、二番に入った高山と横田の若虎コンビが、今日も躍動。高山俊外野手は初回、オリックス先発・同じくルーキーの近藤大から右中間を破る二塁打を放ち、オープン戦のスタメン試合では11戦連続安打となります。横田慎太郎外野手も、六回、二死一、三塁から中前へ運び、貴重な追加点を挙げる適時打に。オープン戦の連続安打を、9試合に伸ばしました。
38歳のベテランも、存在感を発揮します。四番右翼で先発出場の福留孝介外野手が、攻守で活躍。三回の二死二塁、西野の放った右翼前安打をバックホームし、二塁走者の伊藤を本塁タッチアウトに。強肩を披露した福留は、「自分のやれる範囲のことをやるだけ。(本塁ブロック禁止に)ルールが変わっても、やることは変わらない」と冷静に話しました。
四回には、無死から右中間を破るフェンス直撃の二塁打を放ち、先制のきっかけに。攻守で見せ場を作った福留に、金本監督は「実績、経験、年齢的にも、普通だと思ってるけどね」。全幅の信頼を表しています。
若手の躍動とベテランの存在感、どちらも光った試合は、4対2で勝利しました。