昨日からオープン戦は、京セラドームでの対オリックス3連戦。2戦目の今日は、阪神のホームゲームとして行われました。
試合前の練習には、ファームで調整していた江越大賀外野手が合流。不振のため5日に降格していましたが、18日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で4打数2安打、翌19日の同カードでも1本塁打を放つなど調子を上げ、一軍再昇格となりました。
練習を終えた江越は、「状態はいいです。悪い時は頭からボールを見に行く感じがあったけど、しっかりと見送れるようになった。軸で回れるようになりました」と話し、「試合に出るチャンスをもらえたら、アピールできるようにしたい」と意気込みます。
そのチャンスは、五回にやってきました。この回先頭の福留が、オリックスの先発ディクソンから四球を選ぶと、代走として一塁に。二度にわたる際どいタイミングの牽制の後、打者への初球の間に盗塁を成功させます。後続の打者が倒れ、この回は二塁残塁に終わりましたが、そのまま六回から右翼の守備に就きました。
打席は七回、先頭で回ってきましたが、3番手赤間の外角変化球に二飛。バットで結果を残すことはできませんでした。
「練習のフリーバッティングが良かったから、試合に出した」と金本知憲監督。ただ、凡退した打席に関しては「間(ま)がない。打ち取られ方が悪いよね。崩されたというより、自ら崩れている」と苦言を呈し、「できれば2打席見たかった」と話しました。
オープン戦はあと1試合を残すのみ。何としても開幕一軍入りを果たすため、江越の必死の闘いは続きます。
ドラフト1位ルーキーの高山俊外野手(明大)は、開幕スタメンを決定的なものにしました。一番左翼で先発出場すると、初回、さっそく左前に打球を運び、オープン戦の先発出場試合では12戦連続で安打をマーク。二回には、二死一、三塁の場面で「『なんとか打つんだ』という気持ち」で打席に入り、左前に適時打を放ちます。
安打を積み重ねるゴールデンルーキーに指揮官は、明言こそしなかったものの「もし明日4タコだからって、外す監督はいない」と、開幕スタメンを示唆しました。
先発した藤川球児投手は、6回3安打2失点(自責1)。四回以外は走者を背負いながらも、粘りの投球で、吉田正のソロ本塁打とヘイグの悪送球の間の1失点のみに抑えています。
「後ろのピッチャーに、いい形で繋げたことが一番良かった」と藤川。六回、先頭のボグセビックを四球で出し、続くT-岡田を左飛に打ち取ったところで、香田勲男投手コーチがマウンドへ向かいます。球数が98球になったため、香田コーチが「100球前後で考えている」と伝えましたが、藤川の返事は「まだいけます」。「後ろのことも考えて、しっかりイニングの最後まで投げ切って終わりたい」と、二者連続で中飛に抑え、106球でマウンドを降りました。
藤川は、「球数もしっかり投げられたし、いい準備ができました。ゲームを作ることはできたと思う」と手応え。香田コーチも、「いろんな不安がある中で、キャンプの頃からしっかり準備してくれて、一つ一つ階段を上ってくれた」と順調な仕上がりに目を細めます。
1週間後、開幕3戦目の京セラドームでの中日戦先発が濃厚。「京セラドームのマウンドの感触を確かめられたことも収穫です」と、本番に向けて準備は万全です。「さぁ、これからシーズンが始まるんだ!と気持ちが高まってきました」。4年ぶりに阪神に復帰し、先発という新たなポジションで迎える開幕に、視界は良好です。
藤川の後は、安藤、福原、マテオが1イニングずつ投げて0封に。マテオは初の連投を無難にこなし、オープン戦初セーブを挙げました。
4対2で勝利した阪神は、7勝3敗4分となり、オープン戦の単独首位に浮上。「どうでもいいよ。知らなかった」と素っ気ない金本監督でしたが、3年連続でオープン戦優勝チームがリーグ制覇していることを報道陣から伝えられると、「それはいいこと聞いた!」と笑みを見せました。