秋季練習第3クール2日目の19日、汗ばむ陽気となった甲子園で、選手たちはトレーニングに励みました。
全体練習後に行われた特打では、マウンドに背番号2の姿が。北條史也内野手が打撃投手を務め、原口と新井良を相手に投げ込みました。
練習メニューとして組まれていたわけではなく、「特打の前に『投げるか?』と言われたので、『投げます』と」と、急きょ登板だったことを明かした北條。指示した高代延博ヘッドコーチは、「スローイング矯正のため」とその意図を説明しました。
投球を終えた北條は、「いい球を投げられた時は、しっかり指にかかっている。そういう球を何球も連続で投げられれば、送球も安定する」。打者に対して投げ込む中で、送球の感覚を掴んだようです。
「送球が、守備の中では一番。送球が安定しないと、投手に迷惑がかかるし、ゲッツーの時にはセカンドに迷惑がかかる」
昨年までは一軍出場わずか1試合だった北條は、4年目の今季、122試合に出場して386打数105安打、打率.272、5本塁打と大躍進。不振の鳥谷に代わり遊撃でスタメン出場するなど、一軍戦力として欠かせない存在となりましたが、まだまだ多くの課題も。その一つが守備力で、今季はチームワーストタイとなる12失策を記録しています。
9月15日のDeNA戦(甲子園)では、3対2と1点リードの五回、無死一、三塁で打者・石田の打球を本塁送球も、一塁方向に逸れて同点に。痛恨の送球エラーに、悔しさを噛み締めた場面もありました。
来季のレギュラー定着を目指す北條にとって、守備力向上は必須の条件。課題克服に懸命です。
野手の打撃投手登板について、高代コーチは「これからもある」。今季のチーム失策数97はセ・リーグワーストなだけに、秋季練習での取り組みにも余念がありません。