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藤川球児氏 新監督就任会見

2024/10/15

15日(火)、来季の一軍監督に藤川球児氏の就任が決まり、杉山健博オーナー、粟井一夫代表取締役社長同席の下、大阪市内で就任会見を行いました。

以下、会見より

杉山健博オーナーよりご挨拶

本日は、皆様方には、この席に多数お集まりいただきまして誠にありがとうございます。私ども阪神タイガースでは、この度来季の一軍監督に藤川球児さんにご就任いただくことを決定いたしましたので、皆様にご報告をさせていただきます。
藤川さんのご経歴等につきましては、皆さん方よくご存知かと思いますので、この場では割愛させていただきまして、私の方からは今般どういった理由で藤川さんに一軍監督をお願いしたのかということについてお話をいたしますと、最大の理由は一言で言いますと、藤川さんであれば、今のタイガースを必ずやリーグ優勝に導いてくださるであろうと考えたからであります。もう少し申しますと、今シーズンのタイガースは惜しくもペナントレースは2位ということで、連覇を果たすことはできませんでしたが、今もタイガースは投手力を中心に、それなりの戦力があると見ておりまして、優勝争いはもちろんのこと、リーグ優勝を勝ち取る力も十分に持ち合わせていると、私どもでは考えている次第でございます。
しかも今のタイガースの主力の選手の年齢を見ますと、だいたい25歳、あるいは20代半ばから30歳前後といった選手が大半でありますので、まだまだ伸びしろがあるものと思っております。こういったチームを率いて優勝に導いていくには、まずは選手の一人一人の力をさらに高めながら、それと共に新しい戦力を見いだしながらペナントレースを戦い、その上で勝てるゲームを確実にものにしていく采配を始める、かなりの手腕が必要となりますが、これらのことを全てできるのは藤川さんおいて他にはおられないと我々は考えたから、今回藤川さんに来季の監督をお願いしたということでございます。
こういう理由から来季のタイガースは隣におられます藤川新監督の体制の下でリーグ優勝を目指してまいりますので、多くの阪神タイガースのファンの皆さんにはどうか暖かい目で見守っていただきますとともに、引き続き盛大なご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げたいと存じます。
最後に新監督の背番号でございますが、現役時代に長くつけておられた22番ということにいたしました。

−それではまず杉山オーナーにお聞きいたします。藤川監督へ期待することを教えてください。

今申し上げましたのでそれに尽きるのですが、まずはもう結果としては来季のリーグ優勝をぜひ目指していただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。そして、それをしていくにはということで、今一人一人の選手のさらなるレベルアップと新戦力の台頭ということをお話しましたけれども、それを成し遂げていくうえでは、藤川さんは2020年まで現役でタイガースで頑張っておられましたので、今タイガースにいる多くの選手を直に直接よくご存知であられますし、また年代的にも40代半ばでおられますので、非常に選手とも近いということがありますので、どうか選手と距離感これをこれまで以上に小さくして、それでもって一人一人のさらなるレベルアップ、あるいは新戦力の台頭をうまく見いだしながら冒頭申し上げました来季のリーグ優勝、これを目指していただきたい、このことを期待したいと思っています。

−その藤川新監督に対してですが、どのように球団としてバックアップしていくか、そのあたりのプランもお聞かせください。

だいたいチームを強くしていくには、まずはチームの編成、それから育成こういったものが基盤になって、それをベースにして勝利を重ねて優勝、こういう手順がいるわけですけれども、我がタイガースにおきましては、これまでも編成につきましては、ドラフト等で獲得した選手、その入団してきた選手をきっちりと育成して、そして一軍で常時活躍できる選手に育てていくこういったことをベースに、こうしたことを中心にチーム作りというのを行ってきました。このことに関しては、基本的には全く変わらずにこれからもみんなで総力を上げて取り組んでいきますけれども、来季の優勝ということを踏まえますと、そのリーグ優勝していくのに必要な戦力これを整えていくということが非常に大事ですので、それが整えられるよう、我々としては最大限バックアップしていく、この姿勢で臨んでまいりたいと考えております。

藤川球児新監督

−阪神タイガースの監督就任が決まりまして、今の率直な気持ちから教えてください。

オーナーの方からも言われましたけれど、このチームではビジョンがあって、もう幾数年にも実はそれが繋がっていて、その中で岡田監督が指揮を執られたこの2年間に非常に強く、それからチームも成熟してきたのは自分も見てみていて、それから僕もチームの中から外から両方で見てきたところがあったので、この流れになったのかなと。自分自身は全くわからなかったですけれど、愚直に真っ直ぐにこう仕事をしてる中で、そういうものが見えてきたというところでお受けしましたね。

−就任を要請されて就任を決断するに至った理由というのを教えていただいてもいいでしょうか?

特にないです。今、自然なのかなと。やっぱり僕はタイガースに18歳で入ってアメリカに行ったり、それから自分で選択して独立リーグにいたりとかしてる中で、自分の下す決断っていうのに少しずつ自信を持てることができて、どんな道をおそらく選んでも自分の中で正解にできるんじゃないかというところが、ここまでの自分の自信にもつながっています。
なので、うまくいかないことはあると周りが言うかもしれないですけど、僕はどちらにしても大丈夫と思ってますので、それは自分の決断に間違いはないと思います。

−岡田監督は恩師であられると思いますが、その後を引き継ぐということについては、今どんな思いをお持ちでしょうか?

おそらくそれも全て必然であって、大きな阪神タイガースという来年90周年を迎えるこの流れ。そして僕の1年目が、岡田監督が阪神タイガースのファーム監督1年目ということで、全ての流れが、たまたまかもしれないですけど、それを自分の中で紐解いていくわけですね、人間なので。その中でどう受け取ろうかなとするよりも、これが自然なのか不自然なのかというところを考えた上で、何も不自然なことがないというところで、これも運命なのかなと、従えばいいという感じですね。

−その岡田監督から学んだことで、今でも大切にされていること。それからこれから監督として活動していく中で、大切にしていきたいことあれば教えてください。

選手の間だったり球団のSAとしてチームをサポートする側でいる時、外で解説している時には気づかなかったんですけど、いざ、この前に立って、この会見とともに監督がスタートするんですけど、やっぱり普通にやったらいい、これに尽きるのかなと。これがリーダーの仕事かなと思いますね。

−先ほど杉山オーナーから背番号22番という発表も改めてありました。この22番は岡田監督が託してくれたところでもあると思いますが、この現役時代から背負った番号を監督としても背負うということについての思いをお聞かせください。

正直、岡田監督からもらっていなかった番号であれば、全くこだわりはなかったです。僕自身が30番で入団して、それから92、それから22。アメリカで11番、それから21番、高知で11番、阪神に戻って18番とたくさんの番号つけてきましたけど、自分の中で結果がよかったこと、みなさんの印象に残っていること、全て含め、番号も空いてますし、全てが流れなので、そこに抗う方がおかしいんじゃないか。何もおかしいことじゃないなと。僕は背中が見えないので、いつも何番でもいいと言うんですけど、みなさんから見た時に、今後は選手から見た時の印象がありますから、そういう距離感という意味では近く見えるかもしれないので、いいかもしれないですね。

−藤川監督がどんなチームを作るのかというところでも非常に注目が集まっていると思いますが、藤川監督の理想のチーム、それから理想の野球を教えてください。

あまり本当は言いたくないですけど、戦う前に。チャンピオンチームだった昨年であれば思うんでしょうけど。僕は、どちらかというと、新たに就任する監督であって、コーチともまだビジョンを組んでないわけですね。その段階でメッセージとして固まってしまうことは正直控えたいかなと。岡田監督と戦ってきたコーチたち、選手たちが持っている野球観っていうのがすごく大事なので。僕としては前回岡田監督が監督だった08年の時の09年以降の野球を自分の中で覚えてまして、野球のベースが移り変わった記憶があって。そこで選手たちが岡田監督という素晴らしい強烈なリーダーシップを持った野球から、僕自身もそうですけど、簡単にパッと変化できなかったというのがあって、なのでいかに流れの中で、いわゆるチャンピオンチームの巨人の阿部監督を倒していったりとか、他球団と勝負していかなければいけないという意味では、時間があるようでないので、そこは意思疎通を図ってから、決断を下したいと思いますけど、まだ見ていないので。

−ユニフォームを脱がれてからも、スペシャルアシスタントや解説者としては常に外側からも阪神のことを見守って来られたと思いますが、現状のチームというのを、今、藤川監督はどう捉えていらっしゃいますか?

前年度日本一、そして今年も2位まで強烈な追い上げ、岡田監督とたくさんプレーしてきたので、まあ監督力です、ハッキリ言えば。選手たちは素晴らしく脂が乗ってきているとは思います。ただ、僕も岡田監督とともに戦ってきて、岡田監督というのは、駒が変わっても同じような順位に持ってくる力がありました。なので、これで僕も頑張ります。だけど僕が来たことで例えばチームが下がってしまうようなことがあれば、選手たちも力がないということになりますから。僕は09年以降、必死でチームを支えたっていうのもありますから、そういう意味で選手たちの本気度と、現状維持で今いるような周りから見えるような選手は危機感持って臨んでもらいたいなと思います。

−チームの強みはどのあたりでしょうか。

そこはファンの方々、メディアのみなさんと同じかと思いますけど、3点ほど取ったらゲームをきっちり終わらせてくれる。安定の野球です。僕もそこは一番ベースになります。面白みがある野球ではなくて、スルッと気づけばゲームが終わっているというのも、それが狙いですけど。そういうゲームって後ろからいくリリーバーが出やすいんですよ。ゲームの流れのよどみをつくらないようなゲーム展開にしたいというのはありますから。あとは選手たち、コーチたちが、さらに呼吸が早くなるよう岡田監督が引っ張ってくれたと思うので、選手たちやコーチたちが常に忙しく呼吸しているようなこの秋、春、開幕まではそんな時間にしたいと思いますね。

−最も強化すべきポイントはどんなところでしょうか。

まあ非常に難しいんですけど、ベテランと言われる選手。僕もベテランの時期を実際過ごしました。その中で僕たちが現役を引退して、いよいよ、優勝はしました。勝てば勝つほどプレッシャーが高くなり、求められる責任感というのが大きくなります。その中で、どんな選手がそれを少しでも、監督、コーチじゃない立場からその気持ちを受け流して、『いや、こういう時はこうするんだよ』っていうような、プレイヤーの中での気持ちの安らぎというかね。力が必要ですよ。もちろん。選手にも力が必要ですけど、ベテランの選手で、ただ空気がいいだけでは、それは選手には必要ないんで。力もあって、周りの意見を汲み交わしながら、橋渡しとは言わないですけど。うまくファンとか選手から見た首脳陣とか。そうですね、全てを取り囲むっていうところの、そういう選手がいないし。欲しいし。また、なってもらいたいと思うし。ただ必要なのは力です。力が必要なのは間違いないです。プレーヤー個人の力がなくて、ベテランっていうのは僕は必要ないです。

−2025年には尼崎にファームのゼロカーボンベースボールパークが新しく出来上がりまして、今まで以上に環境も整うと思いますが、その育成強化というところへの思いも教えていただけますでしょうか。

少しその話になると、また表情は1つ。僕も監督として考えなければいけない。今は戦いの部分なんですけど、次は育成という部分に変わりますから。少し話の視点が変わるんですけど。やっぱり新しく、鳴尾浜にもずっと大きくお世話になったし。最後の試合ではたくさんのファンが来ていただいたということも聞いてます。それが今度、阪神沿線の中で、甲子園の途中で見られる、尼崎にできるということで。選手たちに多大なる刺激が入ると思います。それから女子野球もあります。で、今は地域で少年少女たちに野球を教えたり、チアリーディングとかダンスの方にも積極的に力を入れてます。本当にこう地域密着っていうのはどの球団でも必要で。僕は高知県に行って講演にも行ったりするんですけど、やっぱり過疎化が進んでるところもあって。もっともっとこう、スポーツの世界から世の中に元気を与えて。受ける受け皿、夢のある世界を広げなきゃいけない。という意味では、最初に話したビジョンっていう大きなその球団のビジョンの中にはそこはありますから。もちろんファームの選手も、もちろん大事ですけど、入団してくる選手にとっても大事なんですけど。それはまたそれで現場でやりますから。球場の周りをどういう風に美しくして、魅力のあるところにして。まあ僕もせっかく来年90周年となる阪神タイガースの監督という役割をいただきましたから。球団の方とみんなで、今後100年、それから200年っていうところに向けて、いかに阪神タイガースが愛される球団で、全国から来たいという風に思ってもらえる球団にする必要が、私も義務があると思ってますから。見といてください。やりますから。

−先ほど力のあるベテランというお話もありましたが、現在のチームで期待する選手。それからチームの柱として活躍してほしいと思う選手がいれば教えてください。

まあ僕はその就任要請を受けた時にお話したんですけども、球団首脳の方にお話ししたのは、僕にとってファンの方には選手の名前、顔、背番号というのは大切かもしれないです。ただグラウンドに出た時はボールとバット。いわゆるプレーの素晴らしさ、能力が必要なわけですよね。僕はその選手たちがいくら築いてきたという、そのプライドとか、その応援されてるファンがたくさんいる。ものすごく大事です。だけど僕、現役やめてわかったんですけど、やっぱりタイガースの選手は辞めても愛されますし。それはどれだけプレーができるかは、もしかしたら関係ないかもしれない。
でも、相手を倒す意味では絶対的な力が必要なんで。いわゆる、どんな選手と聞かれたら、能力のある選手を、数字とともに見たいし。うちにも優秀なデータ班が入っています。それを今後に活かしながら、その中で野球という数字に現れない、このベースボール、また違う深みがある。僕も解説して、アメリカのメジャーリーグも見たし、日本のプロ野球も見たし。その違いはあるんですけれど、そこを岡田監督がやっていたような日本の野球。大谷選手みたいにはみんななれないんだって岡田監督おっしゃられていました。その通りだと思います。なりたい選手もいます。そこの僕としてはなぜ?っていうところをデータとともに見つけながら、球団と一緒に選手にアプローチをかけていく。あくまで感情的にならずに柔らかく。グラウンドで選手たちが1番荒ぶるのがグラウンドであるような状態に持っていきたいと思っています。

−この先、ドラフト会議、そして主力選手のFAなど戦力面での動きもあるかと思いますが、こちらについての藤川新監督のお考えは?

そうですね。いわゆる僕たちが、今の現役選手はわかってると思うんですけど、自分たちが現役引退した頃から、金本さん、矢野さんの時ですかね。そのあたりから選手の入れ替えが始まりまして。いよいよこうフリーエージェントの選手が一気に出てくるようなところに出てきました。これは戦力の入れ替えをした結果、最高の時間が長い分、戦力を入れ替えなきゃいけないっていう。他球団から魅力のある選手たちが一気に出てくるってことですよね。いよいよ、そういうところになってまして。実際まだできるんじゃないかっていうような選手がリリースされて。他球団でのチャンスを求めなきゃいけない状況に今タイガースはなっています。これはでも、アメリカでは当然だし。できるチャンスがあるうちに、できるチャンスがある選手が他球団でプレーするという。まあ板山選手もそうですよね。ああいう球団にやっぱりしたいし、なるべきだと思います。だからフリーエージェントも同様で。僕自身、フリーエージェントで海外に出てますから。残ってくれという思いは当然あります。だけれども、やっぱりその評価っていうのは今まで頑張ってきた個人の評価なんで。FAできない、残念ながら…残念ながら?残念ながらですね。このチームに尽くすしかないという風な感情にはなってほしくないんで。思いきりとりあえず自分の権利を全うしてみたらって。その中で本当に必要であったらわかるだろうし。僕と一緒に野球がしたかったら、僕と一緒にメンバープレーしてるんで。飛び込んでくれるだろうし。出なきゃいけなかったら出ますけど。まずは大人なんで、せっかく大人の第一歩ですからね。判断を待ちたいし。と、表上はさせておいてください。

−改めてになりますが、藤川球児新監督が目指すものを教えていただいてもいいでしょうか?

当然勝ちに行きます。なのでプライベートで僕のことを知ってる選手たちはいますけど。やっぱり僕もオンとオフがあるっていうのはもうみんなわかっているので。そこは今度一緒にやっていく首脳陣の方々、球団の方々も理解していて。僕は使い分けはしません。監督として皆さんと向き合います。選手たちが迷うんで。これは仕事という部分に関しては、なかなかこう難しくて。なので、迷わせないっていうことが重要になりますから。
この部分では、どうにかこう兄貴分みたいなところはコーチにも幾数名かいますから。そこでも担当部署分けしながら、みんなで主体的にこう動いてもらって。それを吸い上げる形で決断を下して、グラウンドで最高のものを他球団と勝負する。それまではまだ、今は計画準備中なので。まだ実行にはいってないですけど、その段階ですね。

−藤川さんが監督として、またグラウンドに戻ってくることを望んでいたファンもたくさんいらっしゃると思います。最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

選手の間から4年経ちました。その4年間の間もSNS等々で本当にお世話になったし、タイガーファンだけに関わらず、たくさんの人と出会うことができて。社会人として大きく勉強することができました。なので僕の中では『経験こそ財産』という風に今回も学びました。なので、まっすぐ愚直に、真心を込めて。このチームを預からせていただいて、ともにタイガースを、日本一続けていきたいし。岡田監督が残したこの思い、まあOBの方々が、89年間残してきた思いっていうのを繋いで。僕はまた次の世代に繋がなきゃいけないと思いますから。任された期間を全うするので、皆さんもおじいちゃん、おばあちゃん、それからお子さんを連れて球場に来て、テレビの前でもラジオ聞いてても新聞読んでも、面白いなって言われるチームを作りに行きます。ぜひ応援よろしくお願いします。

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