これは個人的な見解ではあるけれど、「タイガースの歴代ユニフォームの中で、最も強そうに見えるのはどの時代のデザインか」と聞かれたら、ボクは1965年の夏から採用された、このユニフォームを推薦したいと思う。
ホームは従来の縦縞で、ビジターもグレーで、基本的な形は50年代に採用された形を踏襲していたが、袖口とパンツのサイドにわりと太めの黒いラインを採用している。そのため、見た目がひときわ締まって見える。
これは一説には、当時の藤本定義監督が、チームが強く見えるようにというコトで、提案したと言われている。
ユニフォームに太いラインを入れてチームを強く見せたいというのは、当時の監督たちがよく使った手で、南海ホークスなども鶴岡一人監督の提案で、50年代後半から袖口やパンツのサイドだけではなく肩にまで太いラインを入れていた。しかしこのユニフォーム、自分で言い出しておきながら、いざ使うだんになって躊躇したのが藤本監督ご本人だったのである。
実は当時のタイガースにはユニフォームを変えると負けるというジンクスがあったそうで、そのため衣替えの決心がなかなかつかず、結局、負けても関係のないオールスター戦から採用されるコトになったそうなのだ。
いかにも昔かたぎの老監督らしいゲンかつぎ。シーズンのスタート時ではなく、夏という中途半端な時期から使われ始めたのは、そんな理由があったのである。
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