1978年11月21日、プロ野球界に世間を騒がす大事件が勃発した。いわゆる「江川事件」である。野球協約を拡大解釈したドラフト浪人中の江川卓投手と読売ジャイアンツが、強引に契約しようとした事件だった。
しかしこの契約は却下され、ジャイアンツは翌日のドラフト会議を欠席。江川投手を指名したのは阪神タイガースだった。そしてもめにもめた末に、コミッショナー裁定で、ジャイアンツの小林繁投手とのトレードが成立した。
小林投手は「プロ野球選手ならトレードは当然」と、タイガースに颯爽と移籍。たちまち人気が沸騰した。実際、彼は縦縞のユニフォームがよく似合った。細い体をくねらせるようにする投球フォームを縦縞が美しく演出し、その姿は人々に強い印象を与えたのであった。翌79年、タイガースの一員としてデビューした小林投手は、古巣のジャイアンツ相手に無傷の8連勝。世間はコレで溜飲を下げたのである。
そしてこの年、タイガースはユニフォームをモデルチェンジしていた。前年まで輝流ラインと呼ばれるギザギザ・ラインのユニフォームを使用していたのだが、それを廃止。黒と黄色のノーマルなラインに変更する(ホーム用パンツはライン廃止)。
しかし変化を遂げた部分はこれだけではない。タイガースのユニフォームが前開きのボタン式から、プルオーバー・スタイルになったのも、このユニフォームからである。
それから意外と気づいてない人も多いと思いますが、黒と黄色の縞のストッキングが廃止され、黒一色になったのもこのときからだった。そして82年にホーム用がモデルチェンジされたが、ビジター用はその後も83年まで使用された。ちなみにビジター用は最後の83年だけ袖章のTigersの書体がモデルチェンジされている。
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