2010(平成22)年4月6日、恒例となった交流戦で着用する限定ユニフォームを発表した。それは1975(昭和50)年から使用された、袖に黄色と黒のギザギザ模様の「輝流ライン」が入ったユニフォームだった。1978(昭和53)年に球団創立以来初の最下位を経験したユニフォームだが、現在のファンの中核となっている世代が子供時代に見ていたために思い入れのある人が多かった。異彩を放つそのデザインはファンの記憶にしっかり刻みこまれ、復刻を待ち望む声が球団にもたびたび寄せられていた。
「輝流ライン」は札幌オリンピックや沖縄海洋博覧会のシンボルマークを手がけた日本デザイン界の重鎮永井一正が、もともとはデサント社のスキーウェア用にデザインしたもので、これをタイガースのユニフォームに流用した。1977(昭和52)年にはタイガース同様にデサント社がユニフォームを供給していた大リーグ、ピッツバーグ・パイレーツのグラウンドコートにも取り入れられている。
復刻ユニフォームが発表された当日、阪神甲子園球場で行われた読売巨人軍との試合、始球式にはひと足早く復刻ユニフォームをまとった田淵幸一OB会長が登場。現役時代の背番号22でマウンドに上がった田淵は「懐かしいな。このユニフォームの時代(75年)にホームラン王を獲ったんだよ」と当時を振り返った。
5月12日から交流戦が始まると、ファームもウエスタン・リーグで「輝流ライン」のユニフォームを着用している。
この年、タイガースの交流戦成績は11勝12敗1分で12球団中の8位。交流戦を制したオリックス・バファローズを筆頭に、パ・リーグの球団が上位の1位から6位までを独占する結果で、セ・リーグの各球団は軒並み成績を落とした。最終的に、僅か1ゲーム差でリーグ優勝を逃しただけに、交流戦での成績が非常に悔やまれるシーズンとなった。
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